ニュース&トピックス

2月 雪空を一枚めくり春の空 ~ ある召団員の魂の記 ~

 

 

 「退職後の導きを求めて、初めて余市惠泉塾へ体験入塾させていただきました。来塾するまで、私には信仰がなく、ここへ来ていいのか、場違いではないのか、と思っていましたが、3日目の朝の聖書の学びのとき、神様の前に駄々をこねてうずくまっている自分の姿が目に浮かびました。子どものように『イヤイヤ』と座りこんでいました。聖書には神様の約束がたくさんあるにもかかわらず、その神様を信頼できず、あのこと、このことだけは神様には任せられない、自分で何とかしなければ、と思い込んでいることをはっきり示されました。
前日の礼拝で、水谷先生が『この問題が終わったら、ではない。問題は終わらない。やめなさい。やるべきことは神の国のことだ』とメッセージされたとき、まるで自分に言われているように思い、胸に迫りました。『苦しみのない解放はない。まず苦しみのトンネルを通りなさい。すると希望が待っている。トンネルを抜けて希望に出会うと喜びがある。困難だけど楽しい。神が共にあるとき不可能はない。』これも何度も聴いてきたはずのメッセージでした。しかし今回、うずくまって駄々をこねている子どものような私にイエス様が手を差し伸べてくださり、手を伸ばしてその手を握るとイエス様は私をぐいっと引き上げ、立たせてくださるのが分かりました。今まで信頼していなかったことを悔い改め、握り締めていたものを手放し、神様にその問題をお任せすることができました。
その瞬間から心の中に喜びが湧いてきて塾生活が楽しくなりました。北斜面で肥料を蒔く作業は思っていた以上に大変でしたが、全く苦にならず、これまでの仕事で体力と筋力がついていたのはこのためだったのかと思えるほどでした。
余市惠泉塾のことは何度も話には聞いていましたが、やはり来て実際にそこに身を置かなければ分からないのだとつくづく思います。水谷家のルールとは共同生活をする上での愛の配慮なのだと分かりました。感動したこと、教えられたことはまだまだあってとても書き切れませんが、この1週間を、神様と水谷先生と皆様に心から感謝しています。」

(2017年惠泉塾「宿帳」より / 静岡県沼津市 女性 4月29日~5月5日滞在)

宿帳にこう書き残して余市を後にしたMさんは、その1ヵ月後、転職先を㈱ヴィタポート「惠泉ひかり訪問介護ステーション」に決め、惠泉塾で共同生活しながらヘルパーの仕事を始めました。それまでは地元の印刷会社で働いていましたが、IT化、活字離れによる出版不況で経営が厳しくなり、工場閉鎖、規模縮小、リストラの敢行で誰が生き残れるかという空気が募り、殺伐とした雰囲気の会社に希望が持てなくなったそうです。
それから1年半、彼女は今、信仰、生活、仕事の優先順位に苦しみながらも、希望に生かされて働く積極的な魂に変えられています。そのMさんの証言(体験報告)から――。
「人は皆、誰かのために役に立ちたいと思っていると思います。私はここに来るまでは、自分さえよければいいという考えで自分の幸せを求めて生きていました。しかし、それでは、いくら貯金は貯まっても心は空っぽでむなしいだけでした。ここでは、自分の都合や利益を無視してまで相手のことを考える、という世とは真逆の生き方を体験しています。相手のみならず、それがどれほど自分の心を喜びで満たすか、実際にやってみることで実感できました。勇気を出してここへ来て、今まで知らなかった新しい生き方を知って良かったです。もうほかの会社には転職しないだろうと思います。何のために生きているのだろう、何をすればいいのだろうと、私は本物の生き方を探し続けていましたが、日本の北海道のここ余市という小さな町に見つけました。大変なことはもちろんありますが、仲間と助け合い、励まし合って働くことが楽しいと思える、こんな会社をつくってくださった社長に、そして神様に、心から感謝します。」

(2018年10月13日「惠泉塾・ヴィタポート見学会」体験報告より)