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2月 見せかけと本物  ~ 中国大連から初の修学旅行団を迎えて ~

 1月19日から27日まで、札幌キリスト召団余市惠泉塾としては初めて、中国大連佳奇日本語学校からの修

学旅行生を迎え入れた。雪晴れの朝、通訳の孫学鵬さんを傍らに置き、9歳から48歳まで計11名の旅行団を前に、水谷塾頭は次のようにメッセージした。  今の世の中、日本は資本主義の考え方に貫かれ、高いことが良いこと、大きいことが良いことだという風潮が高級店を生み、これでもかとばかりに大型店を増やしている。最近、高級リムジンバス、プライベートジェット機に1泊8万円のホテル使用、といった富裕層専門の旅行会社が札幌に現れたという。サッポロ・ファクトリーに430㎡の1号店を出した家具メーカーが2、3年以内に6000㎡級の大型店を出店するという。このような記事が今朝の日本経済新聞に載っていた。 ところが、ヴィタポートの経営方針はこれと真逆である。小さいことが良いこと、安いことが良いことなのである。本物は小さくないと品質を保てない。大きくしようとすると粗悪にならざるを得ない。「惠泉虹の家」という定員5名の老人ホームは、小さいがゆえに夢の老人ホームと言われている。「レストハウス惠泉」というターミナルケアハウスは、一度に二組の家族だけに許された理想の見取りの家である。どちらにおいても老人は若返り、病人は平安を取り戻し、却って死から遠ざかっている。 大きくなった惠泉塾に対し、初心に帰ってスタートした「小さな惠泉塾」という試みにおいては、親密で丁寧な人間関係づくりの中、心病んで傷ついた少数の若者が手当てを受け、着実な変化を見せている。   また、本物は高級ではあるが、必ずしも高くない。「惠泉ノア製作所」の家具は100年持つから決して高くはないし、現代の古典、「文泉書院」の本も、永遠性を保っていつまでも古びないから適正価格で安いくらいだ。 何と、私たちは資本主義の見せかけの消費文化に騙されてきたことだろう。消費文化は都市文化である。それに対して惠泉塾は20年、田園で大切に育まれた文化を持っている。ヴィタポートと共に、これからも生産労働を大切にして、本物志向を貫きたい。  日本画家の藤井勘介氏は、京都の岩田山でニホンザルを描き続けて25年になるという。一瞬一瞬を自然に気取りなく生きる姿が美しいという。自分を良く見せようとせず、自然に生きるサルが人間よりも美しい、と絵描きは思ったのである。資本主義の消費文化より、貧しいこの惠泉塾の暮らしの方が美しい、ということだ。 昨日、曹校長先生が仰っていた。ここに来て生徒はどんな感想を持ったか?と聞いたら、「惠泉塾の空気が温かい」「皆の顔が幸せそうに見える」「言葉が通じなくても見れば分かる」と答えたそうだ。そう、ここの人たちは自分を良く見せようとしていない。日本の中では一番自然に暮らしている。つまり、ニホンザルと同じように幸せなのである。(拍手)